DX initiatives
1.ビジョン
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広島メタルワーク
広義のDX(デジタル・トランスフォーメーション) とは社会のデジタル変容を意味するものと捉えていますが、広島メタルワークは、ITシステムやAIなどのデジタル技術を駆使して、さまざまなプロセスのデジタル化・自動化を行い、生産性向上や業務効率化を実現する手段としてDXを推進します。
私たち製造業DXで取り組むべきプロセスは、生産だけではありません。設計や開発、調達、品質管理、販売・マーケティング、保守など、すべての業務プロセスに関わります。
すなわち、DXによるデータの活用(データドリブン経営)で、工場の生産性・品質の向上、コストダウン、納期短縮の実現を目指しますが、最終的には、その取り組みを通じ、新たな製品やビジネスモデルを生み出し(価値創造)、企業競争力を強化できるように変革することをDXの目的とします。
ビジネスとITシステムを一体的に捉え、デジタル技術による社会及び競争環境の変化に打ち勝ち、現在の年商9億6000万円を5年後には15億円の企業とします。 -
連携協業企業プロフェクト
広島メタルワークをはじめとする8社が2005年にプロフェクト株式会社(本社:岩手県)を立ち上げて、共同開発・販売している、中小製造業の中小製造業による中小製造業のための総合生産管理TED(Total Engineering Design)は、中小製造業のDXを具現化するソフトウェアです。
TEDは、2023年に「TOHOKU DX 大賞 2023」で『優秀賞』、「いわてDX 大賞 2023」で『企業連携賞』を受賞するなど外部から高い評価を得ているソフトウェアであり、8社の取り組みは、中小製造業のDX推進に資するものとなっています。
今回の受賞により、8社の独自の取り組みを東北のみならず広く全国の企業に認知していただけたものと確信し、引き続き、生産管理システム・DXによる中小製造業の生産性向上を戦略的に実行し、業界の発展に取り組んで参ります。
現在年間10数本の販売ですが、5年後には年間100本の販売を目指します。
2.ビジネスモデル
経済産業省の「2022年版 ものづくり白書」では、ものづくり企業においてデジタル技術を「活用している」とした企業が62.7%にのぼり、そのうち5割を超える企業が「生産性の向上」効果が出ているとの統計が出ています。
また、IT投資で解決する課題の対象がこれまでは「働き方改革」、「社内コミュニケーション」でしたが、「ビジネスモデルの変革」に移行しており、製造業DXはさらに一歩進んだステージに入っていくことが予測されます。
広島メタルワークでは、2011年から自社ベトナム事業所でCADデータを作成して完全分業制による短納期かつ高度CAD開発というビジネスモデルを取っており、大きな成果を収めています。現地企業との直接取引も拡大し、アジア市場からの受注拡大も期待されます。
また、連携協業しているプロフェクトのTEDでは、クラウドというビジネスモデルを取っており、事業継続性・BCP対策にも有効です。クラウドを活用することで、システム構築や変更、拡張にもより俊敏に柔軟に対応できるようになることは、現代のビジネススピードや多様なニーズを支えるインフラとして大きなメリットとなります。
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データドリブン経営
デジタル技術の発達やグローバル化をはじめとして、企業を取り巻く環境や顧客のニーズは大きく変化し続けています。新しい時代のビジネスを切り開くためには、あらゆるデータを収集・分析して解決策を編み出すデータの利活用が必要不可欠と考えます。
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ソリューションビジネスの展開
DX推進の切り口として、AIやIoTを活用して、自社製品を通じたソリューションビジネスへの展開があります。ソリューションビジネスは従来の商品・サービスだけを提供するビジネスではなく、商品・サービスを通じて、顧客の問題、課題までを解決するビジネスとなります。
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スマートファクトリーの実現
スマートファクトリー実現による製造の効率化やサプライチェーンの可視化は、工場およびサプライチェーン全体の状況把握を可能にします。結果として、人件費の削減、人的生産性の最大化へとつながるものです。
3.中期経営計画とDX
②新しいビジネスモデルにシフトし、売上・利益の拡大と競争力の強化を実現します。
②デジタル技術の活用で工場管理の全体最適化を図り、生産効率と安定品質に資する高付加価値なモノづくりを実現させます。
4.広島メタルワークDXロードマップ
5.戦略 -組織づくり・人材・企業文化-
(1)経営者のコミットメント
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①ビジョンと目標の明確化
広島メタルワークはDXは積極的に推進し、業界をリードする企業となることを目指します。社長である私自身もDXに対する深い理解とコミットメントを持っており、全社一丸となってこの変革に取り組みます。
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②DXの重要性
DXは21世紀のビジネスにおいて不可欠な要素です。これにより、顧客満足度の向上、業務効率の向上、新しいビジネスモデルの創出など、多岐にわたる利点が生まれます。
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③投資への意欲
DXには適切な投資が必要です。広島メタルワークは積極的に新しいテクノロジーへの投資を進め、従業員のスキル向上やインフラ整備に努めます。
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④従業員へのサポート
広島メタルワークは、従業員が積極的に参加できるよう、教育プログラを強化します。 新しいスキルの習得をサポートし、変革に柔軟かつ前向きな姿勢を推奨します。
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⑤成果の共有
DXの成果や進捗については透明性を持ち、定期的に情報を共有します。成功事例や挑戦にどう取り組んでいるかを共有することで、全社で学び合い、成長していくことが重要です。
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⑥顧客中心のアプローチ
DXを通じて、お客様により価値ある体験を提供できるよう努めます。お客様のニーズに迅速に対応し、新しいサービスや製品を提供するための継続的な改善を行います。
(2)組織づくり
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①デジタル文化の醸成
広島メタルワークはデジタル文化を育み、従業員が新しいテクノロジーとイノベーションに対してオープンで柔軟なマインドを持つことを奨励しています。
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②従業員のスキル向上
DXをリードするためには、従業員のスキル向上が不可欠です。教育プログラムを強化し、最新の技術やデジタルツールの習得をサポートします。
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③チーム協力とコラボレーション
DXはチームワークが不可欠です。異なる部門や職種の協力を促進し、情報のシームレスな共有を可能にするための仕組みを整備します。
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④デジタルリーダーシップの育成
DXを推進するためには、リーダーシップ層においてもデジタルに敏感であり、変革をリードする能力が求められます。デジタルリーダーシップのスキルを育成します。
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⑤イノベーションの促進
従業員からのアイディアを積極的に取り入れ、イノベーションを奨励します。内部起業家精神を育み、新しいアプローチやビジネスモデルの構築をサポートします。
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⑥透明性とコミュニケーション
DXの進捗や目標、成果については、透明性を持って従業員と共有します。組織全体が同じ目標に向かって進むために、効果的なコミュニケーションを欠かしません。
(3)人材
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①スキル開発と教育プログラム
従業員のデジタルスキルを向上させるための教育プログラムを充実させ、最新のテクノロジーやツールに対する理解と習熟度を高めます。
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②柔軟性と適応力の強化
変化が激しいデジタル環境において、柔軟で適応力のある人材を育てることが重要です。プロジェクトや役割の変更に対して柔軟で、新しい状況に迅速かつ効果的に対応できるスキルを養います。
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③デジタルリーダーシップの育成
リーダーシップ層においてもDXをリードできる能力を強化します。リーダーたちが変革を成功に導けるようサポートを行います。
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④働き方の柔軟化
DXにおいて、働き方の柔軟性は重要な要素です。テレワークや柔軟な労働条件を導入し、従業員が最適な環境で働けるようにサポートします。
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⑤インクルーシブな職場文化の構築
異なるバックグラウンドや経験を持つ従業員が活躍できるよう、インクルーシブな職場文化を構築します。多様性と包括性を尊重し、全ての従業員が自分の力を最大限に発揮できる環境を提供します。
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⑥フィードバックと報酬体系の見直し
DXへの積極的な参加や成果に対して、明確な評価基準と報酬体系を整備します。従業員の成長と貢献を評価し、モチベーションを向上させる仕組みを構築します。
(4)企業文化
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①デジタルイノベーションを奨励する価値観の確立
広島メタルワークは変化を恐れず、イノベーションを奨励する企業文化を重視しています。新しいアイディアやアプローチを評価し、積極的に採用します。
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②挑戦と失敗を許容する文化
DXは試行錯誤の過程です。従業員が新しいことに挑戦し、失敗から学ぶことを恐れず、むしろ受け入れられる文化を育みます。
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③協力とコラボレーションを重視
異なる部門や職種の協力を奨励し、情報の共有と連携を可能にするためのコラボレーションを重視します。
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④デジタルリーダーシップの育成
DXをリードできるリーダーシップ層の醸成を重視します。DXにおいては、各リーダーが変革を主導し、従業員をリードできる能力が必要です。
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⑤オープンなコミュニケーション
DXの目標や進捗、成果について、透明性を持ったコミュニケーションを行います。従業員が組織の方向性を理解し、自分の貢献がどのように影響するかを把握できるようにします。
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⑥従業員の声を尊重する機構の構築
従業員からのフィードバックを積極的に収集し、それを組織の意思決定に反映させる仕組みを構築します。従業員が自分の声が重要であると感じ、変革に参加しやすい環境を作ります。
6.戦略 -ITシステム・デジタル技術活用環境の整備-
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クラウドテクノロジーの採用
クラウドテクノロジーを積極的に導入し、柔軟で拡張可能なITインフラを構築します。これにより、リソースの最適化とスケーラビリティの向上を実現します。
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IoT(Internet of Things)の活用
IoTデバイスを導入し、リアルタイムでデータを収集・分析し、製品やサービスの品質向上や効率化を図ります。データ駆動型のアプローチを強化し、ビジネスプロセスの最適化を目指します。また、新たなビジネスモデルの構築にも活用します。
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セキュリティ対策の徹底
セキュリティは広島メタルワークにおいて最優先事項です。最新のセキュリティ技術を導入し、データの機密性とプライバシーを確保するために全力を尽くします。
7.成果と重要な成果指標
成果1
収集・蓄積したデータを見える化・AIによる分析によりベテラン社員の勘と経験によらないデータに基づく判断が可能な組織にし、安定して高品質な製品・サービスの提供を行うこと。
成果2
生産プロセスに関連するデータを一元化し、システムの統合や連携を図ることで、生産管理や在庫管理、物流管理などを効率化させること。
これらの成果の達成状況にかかる指標として
①生産性の向上
②生産コストの削減
③品質の向上
④不良品の削減
の4つを設定し達成度を管理していきます。
8. ガバナンスシステム
DXを推進する上でのガバナンスシステムを明示することは、組織内外のステークホルダーに対して透明性を提供し、信頼を築くために重要であると考えます。また、組織が変革を効果的かつ持続可能な方法で進めるために不可欠です。以下は、DXを推進する上で必要なガバナンスシステムの方針です。
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方針1.ビジョンを戦略に明示
DXのビジョンと戦略を確立し、組織全体で共有することが重要です。DXの目的や方向性を明確にします。
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方針2.リーダーシップの必要性
DXを推進するためには、経営責任者やリーダーシップ層の積極的なサポートが必要であることを明確にします。それらがないと変革は効果的に進まない可能性があります
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方針3.組織文化の変革
DXは技術だけでなく、組織文化の変革も伴います。組織全体が柔軟性、イノベーション、協力を奨励する文化を構築することが必要であります。
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方針4.デジタルセキュリティとコンプライアンス
DXプロジェクトにおいてセキュリティとコンプライアンスを確保するためのガイドラインやポリシーを以下に策定し、遵守を確保します。デジタルセキュリティの強化は信頼性を高めます。
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4−1.データプライバシーと保護
①個人データの取り扱いに関する法的規制に遵守するためのポリシーを確立します。
②ユーザーに対してデータの収集と使用に関する透明性を提供し、適切な同意を得る仕組みを構築します -
4−2.アクセス制御と認証
①デジタルシステムへのアクセスを適切に制御し、ユーザー認証を確保するポリシーを策定します。
②最小権限の原則に基づいて、従業員や関係者に必要な権限のみを付与します。 -
4−3.ネットワークセキュリティ
ネットワークのセキュリティを確保するためのポリシーを定義します。
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4−4.セキュリティ教育とトレーニング
従業員に対するセキュリティに関する教育を提供し、セキュリティ意識を向上させるプログラムを実施します。
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4−5.サプライチェーンセキュリティ
サプライヤーやパートナーとの契約においてセキュリティ要件を規定し、サプライチェーン全体のセキュリティを確保するポリシーを策定します。
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4−6.インシデント対応と報告
①セキュリティインシデントが発生した場合の対応手順を文書化し、適切な報告プロセスを確立します。
②インシデントが外部に影響を及ぼす可能性がある場合、適切なステークホルダーへの通知方法を規定します。 -
4−7.法規制とコンプライアンス
①DXプロジェクトが所在地や関連する業界の法的要件に適合するように、コンプライアンスポリシーを設けます。
②法規制の変更に即座に対応できる仕組みを確立します。 -
4−8.「情報セキュリティ基本方針」について
広島メタルワークは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する「SECURITY ACTION」制度において「★★二つ星」を宣言しています。
今後も情報セキュリティ対策に意欲的に取り組んでまいります。*「SECURITY ACTION」の概要「SECURITY ACTION」は、中小企業自らが情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度です。
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実績紹介
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